Kamakura-An’s diary

鎌倉への転居を機にブログも心機一転

Vol.1 グレイシャー国立公園/アメリカ・カナダ_2/4

Morning Many Glacier(2014年7月7日)

5時頃に目を覚まし部屋から外を眺めると山々には雲が垂れ込めていました。

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View from the hotel room in the morning

すぐに着替えて湖畔に下り、まずは一服。至福の一服です。

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Grinnell Point

湖畔にはカメラを構えたおじさんが雲が晴れるのを待っていました。聞けば、アトランタに住んでいて、ここモンタナにも家があるとか。グレイシャーの魅力にとりつかれてしまったそうです。グレイシャーに来てまだ半日ほどしか経っていませんが、その気持ちはわかります。

アトランタのおじさんは8時前に帰ってしまいましたが、その後しばらくると雲が晴れました。もう少し我慢して待っていれば。。。と思いましたが、おそらく早朝のカットがほしかったのでしょう。それは翌朝になってわかりました。

湖畔からホテルの正面に回るとマウンテンゴート2頭が早朝散歩。

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Mountain Goat

GNPでの最初の朝食は日本から持参したカップヌードルと昨日、ゲート前の売店で買ったアメリカンサイズのバナナマフィン。

簡単に食事を済ませ、Many Glacier Hotelのボートハウスへ。8時半のオープンに一番乗りです。早速、9時の便の予約希望を伝えるも、早口かつ訛の強い英語で何を言っているのかよくわかりません。とりあえず聞きとれた質問(名前と人数)に答えました。

湖畔で待っていると、8時50分頃にボートが到着。すぐに乗船が始まります。もう一度、ボートハウスを訪ね、乗船できるかどうかを聞くと、どうやらキャンセル待ち扱いになっていたようです。7、8人のキャンセルが出たようですが、前日からのキャンセル待ちの人たちで満員に。残念ながら朝一番の便には乗船できませんでした。

9時の便に乗船できなかったので、あらためてボートハウスで尋ねると13時の便であれば予約ができるとのことで即予約。前日に予約しなかったことを悔やみつつも、グレイシャーの風景が気持ちを癒してくれます。風景の「風」の意味がはじめてわかったように感じました。

グリネル氷河に行くのであれば、朝一番のボートに乗るのがいいと思いますが、そのためには前日までの予約が必須のようです。

おだやかに始まったグレイシャーの朝。まさか、この日の午後、半世紀の人生のなかで最も生命の危険を感じることになろうとは思いもません。

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Swiftcurrent Lake

トレッキング_1_スィフトカレント湖一周/Swiftcurrent Lake(Circle around)

午前の時間が空いたので、足慣らしもかねホテル横のスィフトカレント湖/Swiftcurrent Lakeを時計回りで周回トレッキング。

トレッキング・サマリー

難易度:easy 距離:6.2㎞ 所要時間:1時間43分 上り:22m 下り:22m

トレッキングルートなど詳細は↓

ホテルからすぐのスタートポイントに行くと「これよりグリズリー生息地」の看板が立っています。リュックに入れてあるビーフジャーキーがグリズリーを誘わないか少し不安になりました。

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Beware of GRIZZLY

トレッキングを始めるとすぐ森の中。大きな野ウサギが跳んだと思いましたが、よくみると仔ウサギ。初めてのところでは、音に過敏になってしまいます。トレイルはホーストレッキングのコースにもなっていて随所に大きな糞。

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Many Glacier Hotel

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Between Swiftcurrent Lake and Josephine Lake

Josephine Lakeにも足を延ばしたものの、時間を考えて、途中で折り返し。

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Josephine Lake

再びSwiftcurrent Lakeの周回トレイルに戻ります。このあたりは軽装備のハイカーが多く景色も単調。

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Landscape

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Deer

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Many Glacier Hotel

そして、Many Glacier Hotelに戻りました。午前中は6kmほどをトレッキングというより、3時間弱(標準所要時間は1時間43分)をかけてゆっくりと散歩した感じです。

トレッキング_2_グリンネル氷河(途中まで)/Grinnell Glacier(Part of the way)

昼食を済ませ、Many Glacier Hotelのレイクサイドから13時のボートに乗船。やはり満員でした。Swiftcurrent Lakeの対岸で一旦ボートを下りて、数百メートルほど歩き、Josephine Lakeのボートに乗り換えです。そして、ホテルの乗り場から45分ほどでJosephine Lakeの奥まったところに到着、ここから時間の許す限り、グリンネル氷河の近くまで行くことにします。

ここで下船してもいいし、下りずにそのまま折り返して戻ることもできます。下船する場合は、帰りの乗船チケットが渡されますが、復路便に乗れるかどうかは混み具合次第。下船する人がいなかったりして満員のときは乗船できないようです(次の便を待つか、歩いて戻らなければなりません)。

トレッキング・サマリー

難易度:easy 距離:10.4㎞ 所要時間:3時間25分 上り:280m 下り:279m

トレッキングルートなど詳細は↓

ホテルから真正面に見えたGrinnell Pointの脇のなだらかなコースを登っていきます。Grinnell Pointは遠くから見ると岩山のようにみえますが、間近で岩肌をみると、うすい層が重なっていてとても脆そう。ハーケン(杭)を打ちこむと、すぐに崩れてしまいそうです。

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Surface of Grinnel Point

遠くにGrinnel Lakeが見えます。

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Grinnel Lake

1時間ほど歩くと、エメラルドグリーンのGrinnel Lakeが間近に見えてきます。ボートからは遠くの上の方に見えた、いく筋の滝も、ほぼ同じ高さから近くで見るとまったく違った滝に見えるから不思議です。

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Grinnel Lake

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Many waterfalls

もう少し先に行ってみたい気持ちでいっぱいですが、ここは無理をせず帰りのボートの時間に間に合うよう、余裕をもって折り返すことにしました。

岩山に張り付いて咲く花々や Josephine Lake、そして、周囲の山々をカメラに収めながら戻ります。それでも思っていたよりハイペースで下ることができました。もう少し先まで行けたかも?という貧乏根性が出てきてしまいます。

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Flowers

そして、↑の写真を撮り終わり、緩いカーブに差しかかったときでした。先を行く家内が何かを呟いています。「クマ、クマ、クマ」。視線を前にやると、ほんの5、6メートル先に、

グリズリーベア !!!

完全に目が合ってしまいました(サングラスをかけていましたが)。全身硬直状態。

まずは、家内を後ろに下げて前に出ます。そして、「こういうときはどうするんだ?」と自問自答。「そうだ、そうだ、目をそらさずに後ずさりしてモノを少しずつ置いていく。そして食料を最後におく」と、昨晩、まさかねぇ?と思いながらシミュレーションしていたことを真剣に思い返します。数メートル、目を合わせながら後ずさり。しかし、グリズリーが段々近づいてくるので、後ずさりはもう無理。リュックをそっと前に回して、中からあのビーフジャーキーを取り出し、崖の下に恐る恐る投げました。が、手にしていたのはジャーキーではなくパン。グリズリーが好きなビーフジャーキーはまだリュックのなかです。しかし、もう限界です。背中を向けて少し早足で来た道を引き返しました。おそるおそる振り返ると、グリズリーはついてきています。

途中、下山している南アジア系の少女たちに「Bear! Bear!」と小声で伝えるも通じません。次の瞬間、実物を目にした彼女たちは大きな悲鳴を上げ、踵を返して走り出しました。「なんてことするんだ!」と叫びたかったものの、大きな声を出すわけにはいきません。

さらに少し戻ると数人のグループと会いました。同じように伝えると、そのなかにいたレンジャーの人が冷静に手を叩きながらグリズリーを遠ざけてくれました(くれたみたいです)。地獄で仏に会うとはまさにこのこと。半世紀の人生のなかで、初めて死というものを意識しました。

気がつくと、母は何十メートルも先まで逃げています。無事で何よりだったのですが、「ほんと、(息子がグリズリーに襲われでもしたら)どうやって日本に帰ろうかと思った」とのこと。歳をとるほど、生きることへの執着は増すようです。

ホテルのショップでクマ避けスプレーを買わなかったことを後悔しましたが、たとえ持っていたとしても、あのグリズリーに向かってそれを吹き付ける勇気はありません。

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We met a GRIZZLY at the center of the above photo

グリズリーが上の方に去ってくれたということで下山再開。手を叩きながら少し早めに歩きます。

そして、ようやくJosephine Lakeのボート乗り場にたどり着くことができました。まさに生還を果たした気分です。

この感動、いや興奮を誰かに伝えたいという気持ちからボートを待っていたファミリー(南アジア系)にさっき起こったことを話しました。高校生くらい?の男の子が言うには、ファミリーが乗ってきたボートからそのグリズリーが見えたとのこと。そして、無邪気に Did you get a picture?  と聞いてきます。

撮れるわけないだろう!?

この少年と一緒にいたくなかったし(笑)、帰りのボートの到着まで1時間以上もあったので、結局、歩いてホテルに戻ることに。帰りのルートは午前中にも通った道でしたが、何ともいえない恐怖感を覚えながらのトレッキングになりました。

途中、真っ黒な大きな糞を目の当たりにしてまたまた嫌な感じ。

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Is this Grizzly's?

そして、無事、ホテル到着。

湖畔でビールを飲みながら生きていることを実感していると、先のファミリーがボートで戻ってきました。最終便に乗れたようです。

小生に気づいた憎々しい少年からは、(早く着いたんだね? という顔をして)Good job! と声をかけられました。この野郎!(笑)。

Evening Many Glacier

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Many Glacier Hotel

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Grinnel Point in the evening

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