フリーランスとしての第一歩は、税務署に『個人事業の開業届出書』を提出することになります。開業後1ヶ月以内に提出すればよいのですが、自身の気持ちの問題で初日に提出することにしました。
多くのWebサイトに e-Tax で提出可能と書いてあるのでチャレンジしてみたものの、かなりわかりにくく、紛らわしい点もあるので、以下に手順を整理してみました。
国税庁が取り扱う帳票は莫大な量なのでわかりにくいのも已む無しかと思いつつも、もう少し何とかなりそうな気もします。デジタル庁に期待でしょうか。
なお、本情報は2021年10月時点のものとなります。
Step 1 e-Taxソフトのインストール
最初のつまづきは、e-Tax と聞いて、e-Taxソフト(WEB版)をインストールしてしまったこと。これでは『個人事業の開業・廃業等届出書』の作成はできません。インストールしなければならないのは、e-Taxソフト(共通プログラム)です。
検索エンジンで「e-Taxソフト」とサーチをかけると、国税庁の「e-Taxソフトのダウンロードコーナー」というサイトがあり、そこには次のような流れが記されています。
(1)利用規約の確認
(2)利用環境の確認
(3)ルート証明書等のインストール
(4)e-Taxのダウンロード
(5)税目プログラムのインストール
ここでは(1)から(3)は割愛し、少しややこしい(4)と(5)について説明します。
e-Taxのダウンロード
「e-Taxソフト(共通プログラム)のインストーラー」ボタンを押し、指示にしたがってインストールします。
インストールが終わると、「追加インストール」するかどうかを聞かれるので、「追加インストール」ボタンをクリック。
税目プログラムのインストール
「追加インストール」ボタンをクリックすると表示される「追加項目一覧」のなかから、「申請」を選択し、さらにその下の階層にある「所得税」を選択して、追加インストール(税目プログラムのインストール)を行います。
『源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書』を提出する場合には、「源泉所得税」も合わせて選択し、追加インストールします。
以上で、e-Taxソフト(共通プログラム) のインストールは完了です。
私の場合、e-Taxソフト(共通プログラム)にたどり着くまで、けっこう時間がかかってしまいました。まさか、e-Taxソフト(WEB版)とe-Taxソフト(共通プログラム)が異なるものであるとは思いもよりませんでした。名称が紛らわしすぎます。
以降は、画面に表示される指示にしたがって進めば、特段、問題はないかと思います。
Step 2 利用者ファイルの作成
「追加インストール」を終えると、e-Taxソフトが立ち上がり、「利用方法の選択」というポップアップが表示されます。
私の場合は、「マイナンバーカードを利用する」を選択して、マイナンバーカードから住所・氏名などの情報を自動転記させ、不足事項を追加入力の上、利用者ファイルを作成しました。
これで利用者(申請者)が私であることをe-Taxソフトが認識することになります。
Step 3 個人事業の開業届出書の作成準備
e-Taxソフトのトップ画面の左のメニューにある「作成」から「申告・申請等」を選択します。
「申告・申請等一覧」画面が表示されるので「新規作成」ボタンを押すと、「申告・申請等の作成」のポップアップが表示されます
申告・申請等の作成(1/3:種類・税目)
「申告・申請等の作成」のポップアップで「申請・届出」を選択し、税目(プルダウンメニュー)は「所得税」を選択します。
申告・申請等の作成(2/3:帳票選択)
続いて、「選択可能帳票一覧」が表示されるので、「個人事業の開業・廃業等届出書」を選択します。なお、「個人事業の開業・廃業等届出書」はツリー構造になっていますので、「個人事業の開業・廃業等届出書」の下にある同名のものをクリックします。
申告・申請等の作成(3/3:名称)
続いて、申告・申請等名の入力ボックスには適当に名称を入力します。ちなみに、私の場合は「個人事業の開業届出書」としました。「OK」ボタンをクリックすれば準備完了です。
Step 3 個人事業の開業届出書の作成準備
上記で「OK」ボタンをクリックすると、「申告・申請等基本情報」のポップアップ画面が表示されるので、不足の項目を入力します。提出日はここで入力する必要があります。
「帳票一覧」から「個人事業の開業・廃業等届出書」が表示されるので、それを選択して、必要事項を入力します。なお、入力内容については、さまざまWebサイトで紹介されていますのでそちらを参照ください。
「作成完了」ボタンを押すと、e-Taxソフトのトップ画面の左のメニューにある「署名可能一覧へ」からみることができるようになります。
Step 4 個人事業の開業届出書への電子署名
e-Taxソフトのトップ画面の左のメニューにある「署名可能一覧へ」から「個人事業の開業届出書」を選択し、マイナンバーカードで署名をします。
マイナンバーカードには「署名用電子証明書暗証番号」、「利用者証明用電子証明書 暗証番号」など2種類の暗証番号があるので間違えないよう注意が必要です。
さらに、別の名称で記載されていること、たとえば、「利用者証明用電子証明書 暗証番号」は「公的個人認証 利用者証明パスワード」などと記載されていることがあるので、とても紛らわしいです。
Step 5 個人事業の開業届出書の提出
e-Taxソフトのトップ画面の左のメニューにある「送信可能一覧へ」から「個人事業の開業届出書」を選択し、マイナンバーカードと「公的個人認証 利用者証明パスワード(利用者証明用電子証明書 暗証番号)」を用いて提出すれば完了です。
第一歩を踏み出し、肝心の事業の成功に向けて努力あるのみです。