55歳の誕生日を目前にひかえた2019年のGW、ウインドサーフィン(WSF)に初挑戦。前年の暮れに鎌倉へ引越し、海沿いをランニングしているときに目にするウインドサーファー(WSFer)がとにかく気持ち良さそうだったのです。年齢的に不安はあったものの今が一番若いと自分に言い聞かせ一日体験スクールの門を叩きました。
そして、ドハマりして2年。昨年秋には妻の巻き込みにも成功。今では夫婦で楽しんでいます。ただし、なかなか上達しません。
至福のひととき WSFのあと心地よい疲れを感じつつ、富士を眺めながら飲むビールはどんな銘柄でも最高の味。
ホームゲレンデは鎌倉湾 出艇は材木座から。スクール(月謝制)に入っているのでコーチに教えてもらいながら、鎌倉湾内で楽しんだり、風を求めて逗子沖に出かけたり、すべて風次第。条件が揃えば江ノ島近くまで遠征することも。正月は森戸神社へWSFで初詣。森戸海岸に上陸してウエットスーツのまま参拝。
なぜ、これほどまでWSFにハマったのか?と自身で考えることがあるのですが、多分、次の3つの感覚がWSFという麻薬の症状なのかも知れません。
風上に向かって走ることができるという不思議な感覚
巨大な飛行機が飛ぶのと同じで、理屈はわかるものの、どこか気持ちの悪さが残るWSFの走る原理。しかし、実際に乗ってみると風を前から受けながら走ることができます。この不思議な感覚というか、違和感がたまらないのかもしれません。そして、風に乗ったとき海面を高速で滑る感覚は「WSFに出会えてよかった」と思わせてくれます。
頭のなかが空っぽになる感覚
揺れるボード、突然、吹いたり止んだり風、波と風に翻弄されながらバランスをとるだけでも大変。とにかく同時にやらなけばならないことが多すぎて、余計なことを考えたり悩んだりする暇がまったくありません。これを午前と午後2時間ずつやると、頭のなかは強制的にリフレッシュされ、ストレスがすっかり消え失せます。
お仕着せでないほんとうのダイバシティ感覚
スクールには老若男女がいて、オリンピックやプロを目指す子もいれば、私のようなオッサン・オバサンもいる。さらには、人生の大先輩もいるし、なかには還暦を過ぎてWSFを始めた人も少なくありません。名前とどこから来ているかくらいは知っているものの、どういう学校を出て、どんな会社に勤めているかなどはほぼ知らず。
たまに飲みにいってもWSFの話だけであっという間に時間が過ぎる。確かに上手・下手の個人差はあるものの、時間をかければそこそこ楽しめるほどには上達するし、ゴルフのように実力が数値化されないのでストレスフリーでお金も動かない。要はレッテルのないコミュニティで気が楽なのです。
昨日はイルカまで出現してビックリ。ダイバシティ極めたりという感じ。ただ、海面から背びれが出ているのを目にしたときはサメかと思い沈しそうになりました。
風向・風の強さ、波の大きさ等々、日替わりネタがあるので妻とのコミュニケーションにも事欠かず。
2年を振り返ると、こんな感じかな。
<ご参考> WSFにチャレンジしようとしている方へ
最初はスクールへの参加がおススメ
ただし、スクールといっても千差万別のようです。個人的には一日体験コースなどに参加して、次の点を確認するのがよいと思います。
上達段階に応じて道具をレンタルできるかどうか? 小生が通うスクール(ショップ)は、マイセイル・マイボードを買うまでに、5種類ほどのセイル、3~4種類のボードがレンタルできます(これらが乗りこなせないとマイセイル・マイボードを買わせてもらえません)。もちろんレンタル料はスクール代(月謝)に込み。
変なヒエラルキーがないかどうか? ショップのメンバーやスクール生の間に昭和の体育会的ヒエラルキーがあるショップがあるようです。それがイヤで移ってくる人も少なくありません。どこにも面倒くさい奴というのはいるようですのでこのあたりの要チェック。
(できれば)レスキューボートがあるかどうか? 沖でのトラブル、風に流さたり、天候の急変で戻れなくなるなど、万一のことを考えるとレスキューボート常備のスクールが安心。
カナヅチでも大丈夫
ライフジャケットがあれば、必ず水面から顔は出ます。海の場合は浮力も大きいので、妻もまったく泳げず水を怖がっていたものの3、4回で完全に克服。
楽しめるようになるまで…
上達スピードは個人差大。年齢でいうと間違いなく若い人の方が圧倒的に上達は早いようです。筋肉モリモリの男子よりも、華奢な女子の方が最初はリード(力ではなくバランスなので、それが身体でわかると追いついてくる)。
私の場合、ほぼ毎週、スクールに通い、最初の半年はとにかくヘロヘロ。セイルが大きくなり、ボードが小さくなる達成感が唯一のモチベーション。半年後、マイセイルになる頃にはWSFそのものが楽しくなり、それから3ヶ月ほどしてマイボードになると他人にも「趣味はWSF」と言えるようになりました。そして、「なぜ、そんなに(顔や手が)黒いの?」と聞かれるようになります。
この1年、コロナ禍のテレワークもあり一番履いた履き物はビーチサンダル。たまにビジネスシューズを履くと靴擦れができてしまうのが最近の悩み。湘南エリア、路線でいうと大船より下り方面(横須賀線:横須賀方面、東海道線:茅ケ崎方面)はビーサンはフォーマルウェアなので入店を断られる店はないはず。夏以外、大船より東京寄りでビーサンを履いているとヘンな人だけど、湘南エリアでは真冬でもビーサン、短パン、ダウンジャケットのおじさんをしばしば見かけます。
マリンスポーツは冬に差がつく
こう教えてくれた同年代で同じ頃に始めた人がいましたが、その人は冬の途中でやめてしまいました。しかし、これは正しいような気がします。とくに鎌倉の場合、冬の風(北風)の方がコンディションがいいので上達しやすいのです。
気になるお値段(費用)
継続する上で経済的負担というのはとても大切。私がメンバーのショップ(スクール)の場合、12,000円/月(税別)の月謝制で回数制限なし。基本的道具一式のレンタル料込。ただし、ウエットスーツやマリンシューズなど身に付けるものは個別購入か別途レンタル。
マイセイル、マイボードになるとピンキリだけど一式揃えるのに40~50万円くらい。スクール代と道具保管庫代を合わせて15,000円/月(税別)。ざっくりいうと、この2年間で月平均3.5~4万円位(計85~100万円位)の支出。
小さくない負担なのでゴルフは止めに。WSFのゲレンデから直線距離で5キロもないところにある名門ゴルフ場での出来事。ラウンド後にレストランでビールを飲みながら周りを見渡すと、ゴルファーとWSFerの年齢層がさほど変わらないにもかかわらず、体型がまったく違うことに愕然。心置きなくゴルフを止めることができました。