Kamakura-An’s diary

鎌倉で海と戯れながら、時折、トレッキングにも

ツェルマット_1(18年7月19~24日) トレッキング

Matterhorn

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Important points

① 標高差が激しいので高山病、気温変化対策は十分にしたい

② 最低5日間(3日間は終日トレッキング)は滞在したい

 

基本情報

日時:2018年7月19日(木)~24日(火)

場所:Zermatt(ツェルマット)/スイス【地図

   Zermatt のホテルを拠点に5日間の日帰りトレッキング

 

ルート① Sunnegga 7月19日(木)

Sunnegga → Egge → Zermatt 晴れ、約5㎞、1時間半

ホテルにチェックインをして、いつものトレッキングの旅どおりまず洗濯を終えると、天気もいいし、まだ15時半だったので身体ならしのため、もっとも手軽そうなスネガ(Sunnegga)に行くことにしました。

 

まずは駅前のインフォメーションで地図を購入。しかし、見慣れない形式のためとても見にくく、プラスチック・コーティングもされていないので、折り目はすぐに破れそうです。スマホにダウンロードしてきた地図の方がマシということで購入した地図は早々にお蔵入り。
 
スネガ行きのケーブルカー乗り場に歩いて向かっていると、Matterhorn(4478m)。そう、この雄姿を子どもの頃からずっと見てみたかったのです。

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マッターホルンとの初顔合わせの興奮が冷めぬうちにケーブルカー駅に到着です。

ハーフフェアカードを利用すると1人片道 9CHF。遅い時間なので、スネガから戻ってくる人は多いのですが、スネガに向かうのはわれわれだけです。

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よくこんなトンネルを掘ったなと思うほどの急こう配をケーブルカーは駆け上がっていきます。

後記:今回のトレッキングではよくこんなところに、こんなものを造ったなぁということが度々ありました。欧州人の発想力、それを実現してしまう意志力というか底力に驚かされます、

ガイドブックによれば高低差683mを3分ほどで上がるそうで、あっという間にスネガ駅に到着します。

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マッターホルン山頂に雲はかかっているものの申し分のない景色。マッターホルンの山並みと青い空、そしてスイス国旗との組み合わせがとても絵になります。

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ここからツェルマットでのファースト・トレッキングをスタートします。

スネガ駅から少し下ると、Leisee という池があります。-see がついていることから、太古の昔はここも海だったのでしょう。

さざ波が立っていて、池面に写る逆さマッターホルンをみることはできませんでしたが、水着姿で遊ぶ親子の姿に出会いました。
マッターホルンが眺められるとしても、標高2200mを超える寒いなかであえて水遊びをする理由がよくわかりません(笑)

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Leisee を後にして、ツェルマットの町に向かって一気に下ります。

サインポストを頼りに歩きましたが、いきなり道に迷ってしまいました。

手元の地図にコースはないのですが、実際にはトレイルがあるので、歩いている人に聞くと、この方向で大丈夫とのこと。初日なので英語で聞くのがいいのか、スイスだからフランス語がいいのか迷ってしまいます。とはいえ、フランス語はできないのですが。

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トレイルのどこからでもマッターホルンを望むことができます。

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ほどなく Egge の集落に入ります。こういうところにあるレストランにも興味があるのですが、今日のところはパスして先を急ぎます。

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気持ちよく下っていたのですが、ここでハプニング。この春に買ったカメラホルダーからカメラが外れてしまい、砂利道にカメラを落としてしまいました。

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レンズのなかにもホコリが入ってしまい、砂でジャリジャリして望遠レンズが動きません(遠近の調整ができません)。また、ディスプレイにも大きなヒビ。この後はiPhone で撮影するしかありません。初日でかなりのダメージです。 
 
ツェルマット名物「ネズミ返しの小屋」をみても、カメラを落としてしまった悔しさが先立ち、気持ちはそぞろ。最近、カメラと気持ちの上で距離感が出ていたような気がしていたのですが、こういうことになってしまうとは。。。モノにも愛情というのは必要なようです。 

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マッターホルンの山姿は素晴らしいの一言に尽きます。

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絵だったのか、写真だったのかは覚えていませんが、子どもの頃、初めてマッターホルンをみて以来、その山姿と山名が強烈に記憶に焼き付けられていて、きっといつかは直にみてみたいと思っていました。

 

そしていま、マッターホルンを好きなだけみることができる時空間に自分がいる、このことにとても大きな幸せを感じてしまいます。

 

カメラトラブルはあったものの、初ツェルマットを満喫しながら下ってくると、ゴルナーグラート登山鉄道のレールがみえてきました。

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さらに少し下ると線路脇に出ます。ここを渡ってしばらく線路づたいに歩きます。

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線路から少し離れて町中に向かうと斜面に大きなカウベルをつけた2頭の牛。牧場ではなく、牛舎前の広場のようなところです。

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スネガから1時間半ほどで Viewing Bridg に到着です。

ツェルマットの中心部を流れるマッター・フィスパ川にかかる橋で、おそらく町中ではここからの眺めが一番です。ツェルマット滞在中は何度も訪れました。

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ルート② Matterhorn Gracier Paradise 7月20日(金)、晴れ、約2.5㎞、約1時間半

ツェルマットでの初めての朝、マッターホルンの朝焼けをさまざまなスポットから楽しんだ後、朝食をとり、8時前にはマッターホルン・グレーシャー・パラダイス(Matterhorn Gracier Paradise)行きのゴンドラ乗り場に向けてホテルを出ます。

乗り場に向かう途中でまたマッターホルン。完全に目覚めた姿です。

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ゴンドラ乗り場までは町中から徒歩で10分強。チケット売場は早朝から混雑すると聞いていましたが、すぐにチケットを買うことができ、そのまま待ち時間なしで乗車できました。

フーリ(Furi)で間違って一旦、ゴンドラを降りてしまいましたが、ツェルマットの乗り場からトロッケナー・シュテーク(Trockener Steg)までは一本のゴンドラで行くことができます。そして、トロッケナー・シュテークでロープウェイに乗り換えです。
 
ロープウェイは妻と二人だけの貸し切り状態。360度の眺望を満喫できました。

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このあたりの氷河も急速に溶けているような感じです。色こそ氷河ですが、厚みが感じられません。

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タイミングよくロープウェイに乗れたので30分強ほどでマッターホルン・グレイシャー・パラダイスに到着しました。標高3883m、気温はもちろん氷点下です。

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まずは展望台からの眺めを楽しみます。

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マッターホルンはどこ? と一瞬戸惑いましたが、右にみえる三角形・ビラミッド様の山がマッターホルン。角度により随分と山姿が違ってみえます。クレーンの先あたりにモンブラン(Mont Blanc)があるはずなのですが、生憎、雲に隠されています。

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すぐ近くにBreithorn(4164m)、頂上を目指すグループがいくつもみえます。

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ここからロープウェイかゴンドラでイタリアに行けると思っていたのですが、乗り場らしきものが見当たりません。乗り場を探してエレベータに乗ったら氷河トンネル。

閉所恐怖症というわけではないですが、崩れてきそうだし、寒いので長くは入っていられません。

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ゴンドラでイタリアに行けないのであれば歩いて行こうということになり、持参したアイゼンを装着、途中まで Breithorn へのルートを辿り国境を目指します。

しかし、初体験の標高、空気も薄く少し頭痛もでてきました。ペースが落ちてきたので途中で残念ながら折り返すことに。往復わずか2.5㎞ほどでしたが、1時間半近くかかってしまいました。

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ホテルに戻ってGPS時計のデータを確認すると、あと200mほど進んでいればイタリア国境だったようです。昨年のチロル(オーストリア)以来、近くて遠いイタリアです。

Breithorn から戻ってくる人をみると、みんな12本爪以上のアイゼンを履き、ザイルを持っていました。

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それにしても、よくこんなところに展望台を作ったものだと感心してしまいます。

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ルート③ Trockener Steg(2939m)→ Furi(1867m) 7月20日(金)、晴れ、約6㎞、約2時間半

イタリア国境越えならずで、ロープウェイでトロッケナー・シュテークに戻り、昼食をとります。

テラスはピクニック(持込飲食)禁止なので、(アルコール控え中ですが)仕方なくビールを買い、それを免罪符に持参したパンとバナナを食します。マッターホルンの頂は雲に覆われていてみえません。

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トロッケナー・シュテークで昼食の後は、フーリまでのトレッキングです。ここまで下りてくると頭痛もなくなりました。

スタート地点からトレイルを見下ろしても人の姿はありません。

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遠くに ツェルマットの町を望むことができ、谷間の町だということがよくわかります。

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ルート上の道しるべ。チロルと色が逆かな?とも思いましたが、後から確認すると同じでした。

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ツェルマットに向かってひたすら下ります。

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ところどころに雪渓も。

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この季節は花がとてもきれいなので、ついつい立ち止まってしまいます。花の名前がほとんどわからない(知らない)のが残念です。

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顔を上げて見渡すたびに山々の表情が変化していきます。

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大きな 岩の前に薄い板状の石がきれいに積み重ねられています。トレッカーが少しずつ重ね置きしていったのでしょう。思わず自分も薄い石を探して上に載せました。

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ツェルマットの町もだいぶ近くなってきました。しかし、とても単調なコースでだんだん飽きてきます。

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飽きてきたときはマッターホルンを振り返るにかぎります。どうやら南壁(手前)が雲を止めて、頂を隠しているようです。

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遠くにモンテローザ(Monte Rosa)がようやく姿をみせてくれたので、標高2400mあたりで少し休憩です。

マッターホルンやモンテローザを眺めながら食する虎屋の羊羹はまた格別。わざわざ日本から持ってきた甲斐がありました。羊羹のあとはホテルの食堂からテイクアウトしてきた(失敬してきた)リンゴ。羊羹より先に食べるべきでした。

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少し休んでいるだけで身体が冷えてくるのでトレッキング再開です。このあたりから徐々に低木がみられるようになります。高木は2100mくらいからみられたので、このあたりがスイスの森林限界なのかも知れません。

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川を渡って反対側の斜面に移ると、右手が崖のトレイルとなり、少しドキドキする箇所もあります。

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花々がきれいなのですが、足元には要注意です。

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花々をみながら歩いていると、羊羹とリンゴでショートブレイクをしているときにわたしたちを追い越して先に行った父子がいました。

父親は腰をかけて休憩し、息子(30歳代?)は谷に下り、折れた木を物色しています。
もしかして父親の杖となるものを探しているのではないかと思い、トレッキングポールの貸し出しを申し出ると、とてもうれしそうな顔。
フーリで待ち合わせということでポールを渡して先に進みました。下りの連続なので膝がおかしくなるのも無理はありません。
 
フーリに近づくと小さな牧草地帯。自宅横の狭いスペースにある家庭菜園ならぬ家庭牧場です。小羊が8頭ほど放牧されていました。

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小さな牧草地帯を抜けるとフーリのゴンドラ駅に到着。ここで先ほどの親子を待ちます。

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しばらくすると、ポールを片手に持って走りながら、ゴンドラ駅周囲のレストラン(テラス席)にわれわれの姿を探している息子さんがみえました。われわれがビールでも飲んでいると思っていたのでしょう。

ゴンドラ駅から手を振ると、さらにスピードを上げて走ってきてくれました。父親の姿はみえなかったので、すでにどこかでビールで喉を潤しているに違いありません。微笑ましい親子です。

「スイス旅行を楽しんで」と言ってくれたので、地元の人なのでしょう。少しいいことをした気分です。

 

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