Kamakura-An’s diary

鎌倉への転居を機にブログも心機一転

Vol.5 ツェルマット(スイス)_6/8

※2018年の記録です。
ツェルマット 4日目
ツェルマット(Zermatt)も早や4日目。今朝の天気も今ひとつですが、ツェルマットでの時間は限られているので今日はマッターホルン(Matterhorn)の麓まで行くことにします。
ゴンドラ乗り場に行くまでの途中にある妙高市との交流碑。近くに妙高という名前のレストランがある理由もわかりました。

f:id:Kamakura-An:20190515225705j:plain

妙高市との交流碑

教会裏の墓地。マッターホルンで命を落とした方々の墓標も多数あります。

f:id:Kamakura-An:20190515225812j:plain

教会裏の墓地
いつものViewing Bridgeから見るもマッターホルンは完全に雲の中です。

f:id:Kamakura-An:20190515225915j:plain

雲しか見えない

昨日のトレッキングをしたHöhbalmenstafelも雲に覆われています。

f:id:Kamakura-An:20190515230022j:plain

昨日のトレッキング・コース

Schwarzsee → Matterhorn(Hörnlihütte)

天候を気にしても仕方がないので、とりあえずはゴンドラに乗り、シュバルツゼー(Schwarzsee、2,583m)に向かいます。語尾にseeがついていることをみると、太古の昔はここも海底だったのでしょう。

f:id:Kamakura-An:20190515230351j:plain

シュバルツゼー駅
われわれの直後に日本の団体さんもゴンドラから降りてきました。どうやら同じ所を目指すようです。かなりの年かさの方々、負けるわけにはいきません。
今日は680mほど上がらなけばなりません。普通なら、大したことのない高低差ですが、標高がそこそこあって空気も薄いので楽ではありません。

f:id:Kamakura-An:20190515230758j:plain

トレッキング・コース(©outdooractive)

行く手はガスのなかでよく見えません。

f:id:Kamakura-An:20190515230932j:plain

スタート地点(A地点)

年かさの団体さんより先に立ったものの、途中でミドルレイヤーを脱いでいると、団体さんの先頭グループに追いつかれました。侮れないテンポです。一人が「ここまで880歩。1000歩ごとに休憩するペースで行こう」と言っていました。こういうマイペースが大事だと思います。

先頭グループが後続を待っている間に発ち、次のポイントにいくと別の日本人グループと会いました。熊本からのグループ(くまモングループ)とのことで、このグループもかなりの年齢の方ばかり。ほんとうに元気です。先頭と最後尾にはガイド(熊本からの添乗員)付。

f:id:Kamakura-An:20190515231153j:plain

B地点

ここから上りが本格化します。↓の左側を大きく回り込んで登ります。

f:id:Kamakura-An:20190515231242j:plain

B~C地点間
急なところには階段も設置されています。

f:id:Kamakura-An:20190515231345j:plain

階段トレイル(B~C地点間)

ただし、途中、鉄網床が抜けているところもあるので気は抜けません。

f:id:Kamakura-An:20190515231455j:plain

足元注意(B~C地点間)

ガスが少し晴れ、回りの山々が少し望めるようになりました。

f:id:Kamakura-An:20190515231602j:plain

天候回復に期待(C地点付近)

しばらくの間、くまモングループの後ろをついて上ります。時折、おばあちゃんの笑い声や掛け声が聞こえてきて、ほんとうに楽しそう。おそらく旅行資金を拠出した挙句、帯同を命じられたと思しめきおじいちゃんの声はまったく耳にしません。

f:id:Kamakura-An:20190515231902j:plain

くまモングループの後ろについていく(E~F地点間)

少し平坦なところで、くまモングループを追い抜きました。

↓見えにくいのですが、砂場にMATTERHORNの文字(落書き)が描かれています。くまモングループのガイドさんの説明を小耳にはさんだところでは4年前に描かれたとのこと。かなり見にくくなっているので、時間があれば帰りにでも修復したいくらいです。

f:id:Kamakura-An:20190515232140j:plain

MATTERHORNの文字(F~G地点間)
G地点を過ぎるとだんだんきつい上りになります。マッターホルンへの道しるべは通常のカラーパターン(赤と白)とは違って青と白。その理由はわかりません。

f:id:Kamakura-An:20190515232329j:plain

G地点付近
途中、ガレ場も多数ありますが、大したことはありません。ただ、標高3,000mを超える頃になると一昨日同様、右側後頭部が痛くなってきました。

f:id:Kamakura-An:20190515232432j:plain

ガレ場(G~H地点間)

こんなに標高の高いところでも足場がきれいに整えられているのには感心します。整備をした人の意地が現れているようです。

f:id:Kamakura-An:20190515232546j:plain

きれいに整備された足場(G~H地点間)

ガレ場の崖にはワイヤーロープがちゃんと張ってあります。ただ、ところどころロープのカバーが擦り切れ、その下のワイヤーの一部が切れてめくれいているので、グローブをしていても、ワイヤーの切れ端が指に刺さってしまいます。

f:id:Kamakura-An:20190515232747j:plain

ガレ場の崖にはロープあり(G~H地点間)
 下をみると氷河のなかに大きな穴が空いていました。

f:id:Kamakura-An:20190515232901j:plain

氷河のなかの蟻地獄(G~H地点間)

標高の高さ・空気の薄さに少し苦しみながらも、2時間ほどでヘルリンヒュッテ(Hörnlihütte、3,260m)に到着です。マッターホルンを目指すときはこのヒュッテに泊まり、そこでガイドと会って、3時50分に出発します。

f:id:Kamakura-An:20190515233135j:plain

ヘルリンヒュッテ(H地点)
到着直後はガスで何もみえなかったので、寒いのですが、とりあえずヒュッテで乾杯。そして、オリジナル・キャップも買いました
テラスでビールを飲んでいると、くまモングループも到着しました。ハグをしている人もいてこちらも「お疲れさま、よかったですね」と声をかけたくなります。自分の母親ほどのおばちゃんにハグを強要されるガイドさんも大変。ま、これもガイド手当に含まれているでしょう。
その後、ヒュッテに入り、くまモングループのとなりのテーブルにつきました。ガイドさんのメニュー説明を盗み聞きしてカレースープを注文。レモングラスの香りが効いたカレースープ、山でいただくカレースープがこんなにおいしいとは新発見。ドリップ・コーヒーとともにトレッキングのときのメニューに採用です。
その後、1000歩で休憩のもうひとつの日本人グループも到着しました。ヒュッテはまるで日本の食堂状態。西洋人の迷惑そうな視線が注がれているものの、日本の元気なおばあちゃんたちはまったく臆することなしです。そして、よく食べる。やっぱりよく食べる人は元気です。
カレースープをすすっていると徐々に陽が差してきたのでまたテラスに。頂上はまだ見えないのですが、マッターホルンのヘソのあたりまで雲が晴れてきました。

f:id:Kamakura-An:20190515233526j:plain

少し青空も(H地点)

ここで滋賀県彦根市から一人で来られた方にいろいろと教えていただきました。キリマンジャロなどの登攀経験もあり、5日後にマッターホルンに挑戦するとのことで、今日は身体ならしとのこと。彼によれば、マッターホルンの岩の層は↓の右上(北東)から左下(南西)に向かって傾斜している(下がっている)らしく、2日前に陽気な外国人に聞いたとおり、右上(北東)からのアプローチでないと難しいようです。

f:id:Kamakura-An:20190515233729j:plain

©outdooractive
われわれはツェルマットの後、シャモニ・モンブラン(フランス)に行くと言うと、モンブラン(Mont Blanc)はひたすら歩き続けることができる体力さえあればそう難しくはないとのこと。かといって、モンブランを目指そうとは思わないのですが、アルピニストのこうした生々しい話しを聞けるのはとても貴重で興味深いものです。
せっかくなので、ヒュッテから少し上がって、マッターホルンのほんとうの登山口まで行ってみます。↓の右下の残雪部分の先が登山口。ここにプレートがみえるのですが、「ここから先は自己責任」というようなことが書かれているとのことです。

f:id:Kamakura-An:20190515234113j:plain

マッターホルンの本当の登山口(I地点)

壁の真下に行ってそのプレートを確認してみたいのですが、頻繁に(2~3分に一度の割合くらいで)落石の音がするので近づくことができません。転がる石と岩がぶつかる乾いた音が生々しすぎます。やはり脆い岩なのでしょう。

登山口のすぐ近くにはマリア像があります。マッターホルンを目指す人のほとんどが、このマリア像に安全を祈って、マッターホルンに挑むに違いありません。

f:id:Kamakura-An:20190515234439j:plain

登山口のマリア像(I地点)

個人的には、マッターホルン、登頂したら1億円!と言われても勘弁願いたいところです。家内は「100万円でもイヤ、たとえ10万円でもイヤ」と高山病の症状が少し出始めた頃、奇跡的に雲が晴れ、マッターホルンの頂を瞬間的に臨むことができました。

f:id:Kamakura-An:20190515234815j:plain

雲間からマッターホルンの頂がのぞく(I地点)

そこに、くまモングループのガイドの一人が来て、「いつかは登ってみたいですよね」とポソリ。やっぱりアルピニストを惹きつける山であり壁のようです。聞くと、マッターホルンのガイドには勢力順位(登る順番)があって、地元ツェルマット>スイス>ヨーロッパ>…>アジアとのこと。アジア勢が登るときは(後続なので)どうしても落石が多くなるようです。しかし、地元や欧州のガイドだと体格も違うし、アドバイスが厳しいので日本人がついていくのは難しいとも。やはりそう簡単には登れないようです。

なるほど...と聞き入っていると、くまモングループの集合時間とのことでガイドさんは慌てて下りていきました。
われわれもヒュッテに戻ると、くまモングループは記念撮影中。お先に、ということで下山を急ぎます。
登ってくる時には気がつきませんでしたが、この石、いつ転がり落ちてもおかしくなさそう。

f:id:Kamakura-An:20190517220441j:plain

今にも落ちそうな石(H~G地点間)

落石と背中合わせの山だな、と思いながら下っていると、大それたことをする女性がいました。上りのときも一緒で、かなり体格のいい女性でしたが動きはきわめて俊敏。岩の先端に座り両手を広げるポーズを彼女の友人が撮影していましたが、YouTubeにでもアップしてCMオファーでも狙っているのかもしれません。

f:id:Kamakura-An:20190517220724j:plain

よくやるなぁ(H~G地点間)

彼女が座っていたのは↓の先端。見ただけで股間がキュッとなります。

f:id:Kamakura-An:20190517220820j:plain

股間がキュッ(H~G地点間)
ツェルマットの岩はどこも↓のような感じ。薄く脆い層が重なった岩です。

f:id:Kamakura-An:20190517220918j:plain

脆そうな石(H~G地点間)
下りてくると、周囲の山々もきれいに見えるようになりました。

f:id:Kamakura-An:20190517221048j:plain

G~F地点間

f:id:Kamakura-An:20190517221123j:plain

G~F地点間

どこに隠れていたのか羊も姿を現します。

f:id:Kamakura-An:20190517221240j:plain

岩陰に羊の姿(F~E地点間)

シュバルツゼーまで戻ってきて、近くの池の回りを歩きます。おそらくここでも逆さマッターホルンを見ることができるのではないでしょうか。標高2,500mにも関わらず、池には小さい魚がたくさんいました。

f:id:Kamakura-An:20190517221546j:plain

シュバルツゼー近くの池(B~A地点間)

シュバルツゼーからマッターホルンの登山口までの往復で10.3㎞、所要時間は上りが2時間15分、下りもシュバルツゼーの回りを散策したので同じくらいかかってしまいました。

f:id:Kamakura-An:20190517222129j:plain

©outdooractive(上りルート)

Furi → Zermatt 

一旦、シュバルツゼーからゴンドラに乗り、フーリ(Furi)で途中下車します。体力に少し余裕があったのでフーリから歩いて戻ります。

f:id:Kamakura-An:20190517222409j:plain

©outdooractive
 スタート地点のサインポストをみると、両方向にZermattの表記があります。とりあえず左に行くことにします。

f:id:Kamakura-An:20190517222508j:plain

行き先満載のサインポスト(A地点)
 一昨日のように単調なルートが続くのかと思いきや、古い建物が残り、風景のバリエーションが豊かな気持ちのいいトレイルです。

f:id:Kamakura-An:20190517222724j:plain

B~C地点間

f:id:Kamakura-An:20190517222745j:plain

B~C地点間

牧草地帯を歩いていたかと思うと森の中に。

f:id:Kamakura-An:20190517222920j:plain

D~E地点間

昨日、歩いたあたりがみえてきました。

f:id:Kamakura-An:20190517223021j:plain

F~G地点間

f:id:Kamakura-An:20190517223045j:plain

F~G地点間
1時間ほどでツェルマットの町に戻ってきました。変化に飛んだ景色なのであっという間です。フーリから2.7㎞歩いたので今日の総距離は13.0㎞(4日間累計:36.2㎞)です。

f:id:Kamakura-An:20190517223153j:plain

©outdooractive
この日はテラス・ディナーではなく、マッターホルンの(麓までの)登頂祝いでレストランに出かけることにします。ガイドブックをみるとおススメとしてホテルに併設のレストラン(Wallisekan)が載っていました。
幸い予約なしでも入ることができ、トマトとチーズのポークステーキ、そしてタルタルビーフをオーダー。スイスに来たらチーズフォンデュが定番なのかも知れませんが、本場のチーズフォンデュはワインが効きすぎて昨年のチロルで懲り懲りです。日本ではもうユッケを食べることはできませんが、スイスのタルタルビーフは大盛りユッケそのもの。生の卵黄も添えられています!マッターホルンでの生々しい落石の音を思い出すとなぜか生肉を食らいたくなるのです。ワインもすすんでほろ酔い。でも、すぐに部屋へ戻ることができます。
部屋(バスルーム)からみると、マッターホルンがきれいに見えました。明日はいい天気になりそうです。

f:id:Kamakura-An:20190517223624j:plain

日没後のマッタ―ホルン

4日目ともなるとさすがに疲れもでてきました。3週間前に抜歯したあたりの歯茎が腫れ、口が開けずらく感じます。

ツェルマット 4日目 終わり