Kamakura-An’s diary

鎌倉への転居を機にブログも心機一転

Vol.5 ツェルマット(スイス)_4/8

※2018年の記録です。

ツェルマット 2日目

気持ちの高ぶりで熟睡できず、ツェルマット(Zermatt)での初めての朝は5時前に目が覚めました。
外を見ると快晴です。朝焼けのマッターホルン(Matterhorn)を見るため、Viewing Bridgeまで出かけます。

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Viewing Bridge近くの教会
ツェルマットにはいくつかの教会があるようで、時間によってはいろいろな教会の鐘が同時に鳴り響きます。普通、鐘の音色は厳かで落ち着くものですが、乱打戦の時間帯(18時前?)は有難味がかなり薄れてしまいます。
(後記:曜日によって鐘の鳴り方が違うような気がしました)
日の出の20分ほど前(5:40頃)でしたが、Viewing Bridgeにはすでに多くの人が集まっています。7~8割が日本人旅行者。残りが中国人と韓国人で西洋人はほとんどいません。朝焼けに感動を覚えるのはアジア人、とくに日本人の特性なのかもしれません。

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Viewing Bridgeに集まる人々

日の出の直前には、この3倍の人は集まっていたように思いますが、国籍構成はほぼ同じ。寒いのはわかりますが、バスタオルを羽織ってくる中国人の発想には驚かされてしまいます。でも、足元はクロックスなので寒そう。体隠して足隠さずというやつです。

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日の出15分ほど前のマッターホルン
Tシャツにミドルレイヤーを重ねただけだったので、寒さに震えながら日の出を待っていました。すると、ハイテンションの白人に声をかけられ、スマホの写真をみせてくれます。どうやら、マッターホルンの山頂で撮った写真のようで、「昨日か?」と聞くと「2年前」とのこと。「どれくらいかかって登ったんだ?」と尋ねると「4時間」との答こと。それってかなり盛ってない? うれしい思い出が熟成を重ねるうちに記憶がだんだんと好記録化したのではないかと思ってしまいました。
(後記:4時間はかなり早いようですが、あり得なくもないかもしれません。なお、このViewing Bridgeからではなく、登山口からの時間だと思います)
いろいろ聞くと、↑の写真の正面のヘルンリ稜線から登ったらしく(↓の地図だと右上からのアプローチ)、このルートがもっとも簡単とのこと。逆に、左下からのアプローチが一番難しいとのことでした。

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マッターホルンへのアプローチ

地図の等高線をみただけでは右上からも左下からも変わらないように思いますが、後日、マッターホルン登頂を目指す人に聞いたところでは、やはり左下からのアプローチはとても難しく危険なようです。もちろん北側(↑地図の上)からの登頂が最も難しいのは間違いないでしょう。ヨーロッパアルプス3大北壁の一つですから。

日の出を待っていると、中国語を話す集団がドローンを飛ばし始めました。みんなが集まる橋の上からマッターホルンに向けて何度も飛ばします。幻想的な光景がドローンとその騒音で壊されるなど迷惑千万。どうしてこういうことをするのか?と思っていたら、誰かに注意されたのかもしれません。日の出前にその集団は姿を消してくれました。
15分ほどの間にいろいろありましたが、地球はそういうことに動揺をみせることなく午前6時少し前、マッターホルンの幻想的な日の出を迎えます。まさに息を飲む瞬間です。

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マッターホルンの朝焼け
Viewing Bridgeで隣りにいた日本人夫婦、リタイアされた後の旅ではないかと思われますが、旦那さんが携帯をカメラモードにしようとして四苦八苦していて、朝焼けどころではありません。そして、奥さんから「お父さん、ちゃんと見なさいよ。携帯はいいから」と指導が入りました。半世紀ほど間、奥さんにはこの調子でリードされてきたのだと思います。
ただ、この奥さん、「これが見れたから、今日はもう雨でもいいわ」とポソリ。悪気のない独り言なのはわかりますが、ただでさえ午後から天気が崩れる予報なのにそういうことを言い放つのは勘弁してもらいたいと思います。
帰り際、教会の横からもマッターホルン

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だんだん太陽が高くなってきました
ホテルの部屋に戻ると、わざわざViewing Bridgeにまで出向かなくとも、バスルームの窓からも眺めることができました。

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バスルームからのマッターホルン

そして、便座に座ると鏡越しにマッターホルン。何とも贅沢な所用のひとときを送ることができます。

マッターホルン・グレーシャー・パラダイス

橋の上、教会、そしてバスルームからいろいろな朝焼けを堪能した後、朝食をとり、8時前にはマッターホルン・グレーシャー・パラダイス(Matterhorn Gracier Paradise)行きのゴンドラ乗り場に向けてホテルを出ます。乗り場に向かう途中でまたマッターホルン。完全に目覚めた姿です。

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目覚めたマッターホルン

ゴンドラ乗り場まで徒歩で10分強。チケット売場は早朝から混雑すると聞いていましたが、すぐにチケットを買うことができ、そのまま待ち時間なしで乗車できました。

フーリ(Furi)で間違って一旦、ゴンドラを降りてしまいましたが、ツェルマットの乗り場からトロッケナー・シュテーク(Trockener Steg)までは一本のゴンドラで行くことができます。そして、トロッケナー・シュテークでロープウェイに乗り換えです。ロープウェイのゴンドラは家内と二人だけの貸し切り状態。360度の眺望を満喫できます。

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ロープウェイからの眺望①

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ロープウェイからの眺望②

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ロープウェイからの眺望③

このあたりの氷河も急速に溶けているようです。色こそ氷河ですが、厚みはもう大きな雪渓ほどしかありません。

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氷河のはずだけど。。。
タイミングよくロープウェイに乗れたので30分強ほどでマッターホルン・グレイシャー・パラダイスに到着です。標高3,883m、気温はもちろん氷点下。

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マッターホルン・グレイシャー・パラダイス

まずは展望台へ。

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展望台の十字架
えっ、マッターホルンはどこ? と一瞬戸惑いましたが、↓正面にみえる三角形のビラミッド様の山がマッターホルン。角度により随分と山姿が違ってみえます。

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これもマッターホルン(南側の稜線)

↓のクレーンの先あたりにモンブラン(Mont Blanc)があはずなのですが、生憎、雲に隠れているようです。

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幻のモンブラン
↓すぐ近くにBreithorn(4,164m)、頂上を目指すグループがいくつもみえます。

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Breithorn

ここからロープウェイかゴンドラでイタリアに行けると思っていたのですが、乗り場らしきものが見当たりません。乗り場を探してエレベータに乗ったら氷河トンネル。閉所恐怖症というわけではないですが、崩れてきそうだし、寒いので長くは入っていられません。

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氷河トンネル

歩いてイタリアへ・・・

ゴンドラでイタリアに行けないのであれば歩いて行こうということになり、持参したアイゼンを装着、途中までBreithornへのルートを辿り国境を目指します。

が、初体験の標高、空気が薄く頭痛も少しあり、ペースが落ちてきたので途中で断念しました。往復わずか2.8㎞ほどでしたが、1時間半近くかかってしまいました。

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トレッキング・ルート(©outdooractive)

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↑地図のB地点付近

ホテルに戻ってGPS時計のデータと地図で歩行ルートを確認すると、もう少し右側(東側)にあと200mほど進んでいればイタリア国境だったようです。。。残念。昨年のチロル(オーストリア)以来、近くて遠いイタリアです。

Breithornから戻ってくる人をみると、みんな12本爪以上のアイゼンを履き、ザイルを持っていいました。われわれの6本爪では到底、太刀打ちできないようです。

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Breithornから戻ってきた人たち

それにしても、よくこんなところに展望台を作ったものだと感心してしまいます。

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↑の頂上に展望台あり
トロッケナー・シュテーク(Trockener Steg)
イタリア国境越えならずで、ロープウェイでトロッケナー・シュテークに戻ります。ここで昼食をとりました。↓のテラスはピクニック(持込飲食)禁止なので、(アルコール控え中ですが)仕方なくビールを買い、それを免罪符に持参したパンとバナナを食します。マッターホルンの頂は雲に覆われていて見えません。

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トロッケナー・シュテーク

昼食後、家内に荷物を預けてトイレへ。所用に集中していると、カッァーという痰を吐き出す音が2つ、ほぼ同時にトイレに響きました。どうやら某国の団体さんが上がって来た様子です。イヤな予感がします。

トイレを出ると女性トイレの前には同団体の長い列。家内の顔がかなり険しくなっています。その後、家内も列に並んだのですが、後から来た同団体メンバーに当然のごとく割り込みをされてしまいます。挙句、トイレはヨーロッパのそれとは思えないほど汚れ、団体の母国のトイレと化していたとのことです。
今から30~40年前、日本人が海外に行きだしたとき、マナーの悪さを非難された記憶がありますが、少なくともトイレは普通に使っていたはず。たった10人ほどでヨーロッパのトイレを一瞬にして母国仕様に変えるパワーは恐るべしです。もちろん良識のある人も多い国ですが。昨日の1等車事件、今日のトイレ事件、世界的有名観光地にはストレスがつきもの、已む無しなのかもしれません。
ただ、当地では(女性トイレもそうらしいですが)便座がついていないトイレをよくみかけました。男の小はいいとしても、そうでないときは空気イス状態でやるのでしょうか? とてもできる気がしません。
トロッケナー・シュテーク (Trockener Steg)→ フーリ―(Furi)
トロッケナー・シュテーク(2,939m)で昼食の後は、フーリ(Furi、1,867m)までのトレッキングです。ここまで下りてくると頭痛もなくなりました。

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トレッキング・ルート(©outdooractive)

スタート地点(↓)からルートをみても、人の姿はありません。

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スタート地点(地図のA地点)
遠くに ツェルマットの町を望むことができ、谷間の町だということがよくわかります。

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A地点からツェルマットの街を望む

ルート上の道しるべ(↓)。チロルと色が逆かな?とも思いましたが、後から確認すると同じでした。

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A~B地点間

ェルマットに向かってひたすら下ります。

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B~C地点間
ところどころに雪渓も。

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B~C地点間

この季節は花がとてもきれいなので、ついつい立ち止まってしまいます。花の名前がほとんどわからない(知らない)のが残念。

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B~C地点間

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B~C地点間

を上げて見渡すたびに山々の表情が変化していきます。

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B~C地点間
大きな 岩の前に薄い板状の石がきれいに積み重ねられています。トレッキングで通った人が少しずつ重ね置きしていったのでしょう。思わず自分も薄い石を探して上に載せました。

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B~C地点間

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B~C地点間

ツェルマットの町もだいぶ近くなってきました。しかし、とても単調なコースでだんだん飽きてきます。

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B~C地点間
飽きてきたときはマッターホルンを振り返ります。やはり上部は雲に覆われています。どうやら南壁(手前)が雲を止めているようです。

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C地点付近

遠くにモンテローザ(Monte Rosa)がようやく姿をみせてくれたので、標高2,400mあたりで少し休憩。マッターホルンモンテローザを眺めながら食する虎屋の羊羹は最高です。わざわざ日本から持ってきた甲斐がありました。羊羹のあとは、朝、ホテルの食堂からテイクアウトしてきた(失敬してきた)リンゴ。羊羹より先に食べるべきでした。

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奥の方にモンテローザ(C地点付近)

少し休んでいるだけで身体が冷えてくるのでトレッキング再開です。このあたりから徐々に低木がみられるようになります。高木は2,100mくらいから(まで)だったので、このあたりがスイスの森林限界なのかも知れません。

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C地点付近

川を渡って反対側の斜面に移ると、右側が崖のコースとなり、少しドキドキする箇所もあります。

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C~D地点間

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C~D地点間

花々がきれいなのですが、足元には要注意です。

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C~D地点間

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C~D地点間

花々をみながら歩いていると、羊羹とリンゴでショートブレイクをしているときに追い越された父子が少し先にいました。

父親は腰をかけて休憩し、息子(30歳代?)はコースから外れて谷に下り、折れた木を物色しています。
もしかして父親の杖を探しているのではないかと思い、トレッキングポールの貸し出しを申し出ると、とてもうれしそうな顔。フーリで待ち合わせということでポールを渡して先に進みました。下りの連続なので膝がおかしくなるのも無理はありません。
フーリに近づくと小さな牧草地帯。自宅横の狭いスペースに家庭菜園ならぬ家庭牧場です。小羊が8頭ほど放牧されていました。

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E地点手前

小さな牧草地帯を抜けるとフーリのゴンドラ駅に到着。ここで先ほどの親子を待ちます。

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フーリ―のゴンドラ駅(E地点)
ばらくすると、ポールを片手に持って走りながら、ゴンドラ駅周囲のレストラン(テラス席)にわれわれの姿を探している息子さんが見えました。われわれはビールでも飲んでいると思っていたのでしょう。ゴンドラ駅から手を振ると、さらにスピードを上げて走ってきてくれました。父親の姿はみえなかったので、すでにどこかでビールを飲んでいるに違いありません(笑)。微笑ましい親子です。「スイス旅行を楽しんで」と言ってくれたので、地元あるいは近隣の人なのではないかと思います。少しいいことをした気分です。
親子が無事戻ったことを確認して本日のトレッキングは終了です。午後は6.0㎞、所要時間は2時間半。午前と合わせて2日目は8.8㎞(2日間累計:13.4㎞)です。
 
After Treckking
フーリからゴンドラに乗ると、後から親子3人が乗り込んできました。隣のオーストリアから来て4日間、山を転々としているとのことです。そして、父親がわれわれのポールカバー(↓)を見て「何これ?」と聞いてきました。「先端が危ないので、他人をケガさせないように」と真顔で答えたところ、オーストリアの親子3人は大笑い。それまでブスッとしていた年頃の娘が一番笑っていました。

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摩訶不思議なポールカバー

日本の電車は混んでいるので先の尖ったポールを持っていると危ない。。。と説明しようかとも思いましたが、ヨーロッパの電車から日本の電車の混雑事情は想像できないだろうと思ったので追加説明はやめておきます。

ちなみに、彼らのピッケル、ポールの先端は剥き出し。娘にいたってはたくさんの爪がついたアイゼンをそのままリュックにぶら下げています。どう説明したところで、ゴンドラがツェルマットに到着するまでの短い時間にわれわれのポールカバーのことは理解してもらえなかったに違いまりません。ま、ヨーロッパのお嬢様に大受けしたのだから良しとしましょう。
ホテルへの帰り道、昨日とは別のスーパーとパン屋(昨日の系列店)で食料を買い、連日のルームテラス・ディナーです。だんだん雲行き怪しくなってきているのが気掛かりです。
そして、21時過ぎから強い雨になり雷も鳴り出しました。ベッドの真上が天窓になっているので雷の光が直接届きます。

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ベッドの上の天窓

明日の天気が心配ですが、どうすることもできません。

ツェルマット 2日目 終わり